詩人:どるとる
僕はピエロだよ
笑うのが仕事だよ
でもね時にはね
泣きたくなるんだよ
ピエロは今日も
同じ窓から
月を眺めては
涙を流してる
嘘つきと呼ばれても
悲しくないけれど
弱虫といわれたって
構わないけれど
ただ悲しいのは
イヤだとわかってても抜け出せないこのやりきれなさだよ
ピエロになるために生まれたわけじゃないのにね
いつの間にか
拍手と歓声を得るために嘘の笑顔で偽りの自分演じていた
サーカス小屋のような社会の低層で
僕はひとり
鏡の前
笑顔の練習さ
そしてまた
夜が来れば
もうお決まりさ
この窓から眺めてる
月を眺めてる
仕方ないさ
僕はピエロだよ
でもどうせなら
やさしいピエロになりたいな
誰かをこの笑顔で
幸せにできるような
ピエロになりたいな
笑うのが
笑うのが
こんなに
大変なんて
思いもしなかったよ
でも
君に浮かべる
笑顔だけは
本物の笑顔だよ
嘘偽りのない
本物の笑顔だよ
ピエロは世の中には
楽しそうには笑わない
形だけ 形だけさ
でも君には
最高の笑顔を届けるよ
この涙をわかってくれるのは君だけだから
今夜もまた抱きしめてね
ピエロが人にもどれる瞬間に僕の心に明かりがともるよ
やさしさという名の
明かりがゆれるんだよ
僕にだって誰かを
こんなに
愛せるんだ
僕だって誰かに
こんなに
愛されるんだ。