詩人:どるとる
マフラーを揺らして
防寒着しっかり着て
風邪牽かないように
気をつけて
出掛けましょう
出掛けましょう
冬は寒い季節だということ
みんな知っていること
だけれどみんなばかみたいにさわいで 楽しそう
白い雪に埋もれた
記憶は輝く宝物
大人になった今では味わえないまぼろし
あなたとよくこの窓から見ていたよね
そしてあたたかいココア飲みながら
語り合ったよね
遠い昔
あなたのいなくなったこの部屋にはね
冬になるとね
さびしさが香るよ
あなたがよく座っていたそのアームチェアーに残ってるあなたの香り
わたしはひとり
今はこの窓から
舞い降りる冬の妖精たちを眺めてる日々
年老いたわたしには
寒すぎる季節
そして
年老いたわたしにはさびしすぎる毎日
あなたがおしえてくれたこと
あなたと見た景色
あなたと行った場所
あなたがくれた思い出
あなたと過ごした時間
全てやさしいぬくもりで満ちあふれてる
わたしの心の中に
今もあなたがいるのよ
いずれわたしも
この部屋から
いなくなるでしょう
そしたらまた
あなたとお話できるでしょうか
でもまだもう少し
生きれるみたい
胸の中のコーヒーが冷めないうちにこの冬が終わらないように
そっとこの物語にしおりをはさんだら
わたしは眠る
永久の時計の中で
永遠をきざむ
あなたという
長針と
わたしという
短針が
きざんだ時間を
もう少しここで
感じてみるわ
愛は死んでない
ここで今も生きてる。