詩人:望月 ゆき
れんげの土手を揺らしてごうごうごうとやってくる葉桜の一本道を突っ切ってひゅうひゅうひゅうとやってくる門柱に横っ面ぶつけてはカンカン カンカンと鳴く耳障りな表札はやってきたそれに剥がされどこかへ飛んだ行方は気にならないただ あのひとが迷ってしまうのだけは困る門灯の下にダンゴ虫の行列目印にここへ来る途中にあのひとまでもそれに巻き込まれて飛んでしまってなければいい