詩人:甘味亭 真朱麻呂
出入り口もない寂しい部屋に迷い込んだ
恋をするとなぜだかいつもの自分で居られないいつもの自分がどうしてかだせない
足りない言葉なら胸の中の冷たい部屋の片隅に小さく折り畳んで落ちていた
自分自身を閉じ込めてそこからなにを見いだそうというのか
見いだせるというのだろう 自分でも自分のやってることがおかしく思えてきて君に対する言動があやふやなまでにばらばら変に遠回し身振り手振り敬語だらけの悲しい関係
君はこんな僕をどう思ってるのだろう
さすがに気付いてるかな
お別れって不思議でたったひとつのさよならが永遠のさよならみたいに心が手を振るだけで涙を流す
今日がさよならじゃなくてもなんか気持ちはもう一足先に一人歩きここにはないんだよといってるような想いのままで
いつもさよならの日を眠りながら夢の中待ってる
このままどうせならずっと夢を見続けて目覚めたくないというわがままを当然に打ち消すかのように終わりの日は来て僕を目覚めさせ
手を振る場面になりあっという間にほらねこんな風な楽しい時間は過ぎるのだけは早くどんなに長くても関係なくて時間は確実にお別れの日に向かって刻々と時を刻み進ませるそれは時に想いを裏切りいらだつほどに意地悪ですぐに風のようにスライドするように新しい景色が僕を切ない風の中へ放りこむ 空っぽなままの寂しさだけを心にだけに記憶として刻み残すんだ
その物は持ち帰れないから人はその代わりに思い出を心に刻み そして形のない景色を瞳に映すから 今
いつだって記憶は心から消えはしない
ずっと見えなくてもあり続けるのです
あの日の景色はこんな僕でもどんな僕でも愛し包んでくれた永遠のふるさと
たどってく記憶の道振り返るように目を閉じ思い返す思い出のその在処 遠ざかるたくさんの景色目を開ければ瞬間に消えるそれはこの心が脈打つ胸の中にある思い出せば古く遠い