詩人:どるとる
ほとんど空席の電車がレールの上を走る 夜の闇を切り裂いて
誰かが 吐き出したため息が窓ガラスを曇らせる
窓の外の景色は行けども行けども
変わらない
夜の街の中を
小さな蛍のような光が飛び交ってるだけ
この頬を流れる涙は
なんの涙だろう
悲しくなんてないのに
ぬぐってもぬぐってもぬぐいきれないよ
なんの脈絡もなく訪れるさよなら
優しすぎるのが災いして数え切れないほどたくさんの夢を失っても
やっぱり変われないのは僕は僕だから
だからこのままでいいんだよって思うのさ
答えなんかなくたって明日はかならず訪れる
明けない夜はない
そして
やまない雨はない
だから 僕は僕自身に優しくしたい
そして 僕以外の人にも優しくしたい
そして いつか心を開け放して
裸の心で愛し合える人に出会えたら
その人にも優しくしたい
今はそれが僕の小さなプライド。