詩人:某
こちら地球のFAR EAST LANDジパングよりお届けしますは近況報告
私とゆう野良人の心境報告であります
私不肖某
この黒目のレンズから
宇宙空間に起きる闘争を見つめているのですが
やはり宇宙は広いのですね
多種多様な思い違いが楽しませてくれています
未開拓分野の深さは無限であり
マクロをミクロに
ミクロをマクロに
感じ方なぞ数学のベクトルで表せられるものではないのは道理
しかし
ははは
どうか口達者でなに一つ物言わぬ後進者達よ
開拓者達の足を引っ張らないでくれたまえ
開拓はする側に回ってこそ楽しみに預かれる
その楽しみの為ならば私は銀河の向こう
アンタレスの毒さえ飲み込もう
君ら
帚星に乗り込む権利を放棄したいならし給え
君ら
怠惰に費やす時間はあるのかね
時間は有限で失うばかりの貴重品である
私からは『なあなあのナイフ』が君らの首もとに見えるのだ
君らがせっせと開拓者のスコップを奪っている間にだ
良き言葉と良き音楽が
出しゃばらず控えめに
私の傍らに漂うとき
私は無敵なのだと錯覚する
それはまた
言葉の奴隷と変換されるキーでもあるのだが
しかしいったい
この宇宙はどこまで広いのだ
地球から飛び出さなければ見えないならば
勇み喜びスコップを片手に
私は宇宙へと飛び立つであろう
ほら 私は颯爽と帚星に乗り込む
君ら
開拓者である私の汚れを笑うのは構わないが
せめて足を引っ張らないでおくれよ
安全や安泰が欲しいならシェルターに潜むがいい
恐れと陰口と妬みと脆弱さを食物とする植物達よ
私は知的好奇心のなれの果てさ
目指すは黒目のレンズでは見えぬ宇宙の果てさ
ここから先は宇宙
地表の夢は食い飽きたのだ