詩人:himari
過去と現実との
距離が長くなればなる程
過去が
増して愛しく思い
過去が
増して輝いていく
形にも文字にも
その過去達を
表してくれるものはもう無く
唯一
少しずつ薄れていく記憶達に
触れる事によって
過去へ辿っていく
ひとり
過去に溺れ浸っていく
生温く
でも居心地がいい
でも此所にはもう何も無い
日に日に
薄れていこうとする
過去へ繋ぐ記憶の破片達を
必死には集めては
どうしようもない喪失感を感じる
過去と現実の狭間の中理性と本能が揺れ動く
現実寄りになれば理性が強くなり
過去寄りになれば本能が強くなり
未だ過去から解き切れない
居場所が無い過去に居座っている
自分をどう現実に引き戻そう
現実の方が
先に進めば
未来が広がり
幸せがあるはずなのに。