詩人:メノ
嵐がきた
砂埃が舞う
遠くのサイレン
うつむき加減に坂をのぼった
まだまだ低いまま
嵐がよぶ
風が頬を叩く
遠くのサイレン
うつむき加減に坂をのぼった
嵐が背中から追い立ててきた
だからうつむき加減に坂を走った
喉はカラカラして
目はグスグスして
足はジクジクした
周りは薄桃色がかった変な雲に囲まれていた
うつむくのをやめた
真上にぽっかり開いた
青い丸
町は静かに雲に囲まれて
嵐もまた静かに雲を伴って町を去っていった
ふと静かになった
サイレンが止んだ
2008/02/24 (Sun)