詩人:梅宮 蛍
ひとひらの夢が翁樹から溢(こぼ)れ その手に着地する
風の香は甘く桃源の色をしていた
貴女の着物は赤く 唇に挿す紅もまた赤く
淡い光に包まれた画の中で 唯二つ 鮮明に映える
朝霞の雫 そのひとつひとつが
雑音(ぞうおん)を吸い込み 雑事から切り離す
そこには静謐が溢(あふ)れていた
初恋の人の横顔は清らかで
いついつまでも清らかで
僕はただじっと 魅入るのだ
最期の瞬間(とき)を迎える今に
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ひとひらの夢が翁樹から溢れ その手に着地する
風の香は甘く桃源の色をしていた
貴女の着物は赤く 唇に挿す紅もまた赤く
淡い光に包まれた画の中で 唯二つ 鮮明に映える
朝霞の雫 そのひとつひとつが
雑音を吸い込み 雑事から切り離す
そこには静謐が溢れていた
初恋の人の横顔は清らかで
いついつまでも清らかで
僕はただじっと 魅入るのだ
最期の瞬間を迎える今に