詩人:月詠
深く落ちた月は
私の手の平で踊り
暗黒を告げる
其処に見えるのは本物かと
私の心を抉るように
月が宿った鏡の前で
一緒に踊りましょう
此の命が尽きてしまう程に
静寂なのは
死を其の眸の奥深くに
持っているから
怯えなくていいわ
きっと是<これ>から
見るのは苦痛
其れを知っていても
私は貴方を
愛さずにはいられないの
往く先が見える?
淀んだ今に何を見るの?
貴方は其の真実を知らないわ
闇に束縛された私は
光を見ようともせずに
踊り続ける
こんなに平凡なのに
満足出来ないのは
私の心が腐ってしまったから
儚い今日を終らせる方法は
わかっているの
でも其れを
実行してしまった瞬間<とき>
貴方は私の側に
居てくるのかしら?
殺されても恨まないでね
だって貴方は
わかっているんですもの
忘れたなんて言わせないわ
是から起こる惨劇の全てを
見せてあげる
此の未来は変えさせない
変えさせないわ
だって幸せに成りたいんですもの
修羅に生きてこそ神
裸体よ踊れ美しく
どうぞ刃向かわないで
私は神様
貴方を罰する為の神様
月が宿った鏡の前で
亡骸<あなた>と踊りましょう
其の命が尽きてしまった
静寂は
死を其の眸の目の前に
見ていたから
わかっていたのでしょう?
私は神 死を司る死神様
さぁ 次は来世で会いましょう