詩人:PureAngle
小鳥さん。
苦しいと僕に鳴いているんだね。
聞こえたよ。
寒くて凍えているんだね。辛かったね。
突然闇に消えた一羽の力強くも美しい鳥。
二度と帰らないと知った、その時の鳴き声は誰もが聞こえるから。
二人でいつものようにはばたいていた時、
いつものように彼の横顔を見ていた時、
二人は突然闇に包まれた。
目が覚めると、自分には皮肉にも輝いた光が。
彼は、
自分と同じ光を見る事はもう決して・・・。
自分と同じ空を飛ぶ事はもう決して・・・。
神様、私にも同じように、光を消して。
なぜ自分だけがこの世界に。
彼と二人なら同じ闇にいた方がよかった。
その時の気持ち、僕にはちゃんと聞こえているから。
その傷ついた羽は、一生消えることはないかもしれない。
でもそれは、
彼が自分を忘れないでと残した印。
その傷を持ってこれからもはばたいてと残した印。
広い大空の下で、僕はたまたま会ったに過ぎない。
しかも無力な僕は小鳥さんに何もしてやることはできないかもしれない。
しかし僕にできる事はしたい。
精一杯の事したい。
僕に今できる精一杯の事は、
この毛布をかけ、
その鳴き声を側で聞いて、温まるまでいてあげるだけかもしれない。
それでも僕は小鳥さんが鳴き止むまで、
凍えたその体が温まるまで、
僕は毛布を何枚でもかけ見守り続けるから。
通りすがりの僕を必要としなくなるその日まで。
この毛布を押しのけ、
明日へはばたくその日まで。