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詩人:高級スプーンあと何年
娘に殺されて死ぬのが
私の最期だなんて
バッドエンド過ぎるでしょ
自ら嵌めた枷に縛られて
まるで温暖化
狭まった行動範囲の中で
自由に生きた代償が
我を忘れたあなたと
人に借りた金の後始末
それから
死んだあとのこと
助け合い
救い合い
足元をすくわれ
救われない
誰も助けに来ない
じわじわと絞まる首
迫る足音
やがて耳元まで辿り着き
息も出来ない
人生の総決算に
集まる人はごくわずか
まあどうせ
人も神も信じてなかったですから
何にも見えないし
別にいいんですけどねwww
気がかりなのは
あの子のその後
私を刺し殺したあと
ちゃんと元気に出所して
明るいところで
暮らせているのかしら
だなんて
死人の口が裂けたって
言えやしない
知りはしない
蒔かれた種が芽吹いたの
いつかは
誰でも死ぬけれど
わたしが居なければ
あの子が生まれてくることもなかった
ひとの気持ちも知らないで
勝手に産んで
育ててしまってごめんなさい
さようなら
さようなら
さようなら
さようなら
バイバイ
もう会えないことだけが
あの子の救いになりますように