詩人:メルキオール
現実と夢との狭間に
青い傷痕
見分けがつくようにって
切り裂くように線を引いた
最近はよく眠れるのって
君の電話に
調子がいいよと笑う僕
嘘が上手になった
失ったあの瞬間の
大きな衝撃を
思い出すのが怖いから
鏡の前で悲しく笑うんだ
だけど頬は冷たく
感傷を零すから
両手では抱えきれない
痛みが心に宿る
踏み切りの向こうの世界
誰かの夢の形
追い掛けたあの背中は
今じゃもう見当たらない
瞬きもせず見つめていた
15の僕の瞳に
焼き付いたはずの映像は
断片的な記憶に変わる
冬の息は白く
切なさを残すから
握りしめた手の優しさを
跡形もなく奪った
何故に心は脆くて
思い出は儚いの
涙で全て誤魔化すような
ズルさを僕ら、持ってた
ポケットの中に
詰め込んだ感情が
溢れて、流れだした
少しも綺麗じゃない
旋律を奏でている、
耳障り
自由を嫌う理由は
いつも悲しみを伴う
持て余す時間の分だけ
ただ無様に立ち尽くす
意味さえもてずに
いつも
知らないふりをしていた
低くうなる空に
重い雲が垂れ込めても
そこから見える未来は
幸せな色ですか
吐き出すように叫んで
泣いてるみたいに笑った
優しさを知ったあの瞬間に
僕らは、明日を諦めた