詩人:琴
「解らない」
鏡に移る人に尋ねた
「あなたは誰ですか?」
鏡の中の人は答える
「Cです」
それから会話をし始めた
鏡を見るたび尋ねる
「あなたの名前は何ですか?」
鏡の中の人は答えた
「Cです」
学校に行っても家に居てもCは居るようだ
それが安心することもあった
「あなたに写っているものは何ですか? 」
「Cです」
Cという人はそれしか答えなかった
ある日Cはいなくなっていた
不安になった まるで自分自身がいなくなった様だった
私は鏡をたたき
誰かを探した
Cを探した
そして自分自身を探した
しかし私はCではなかった
自分自身のコピー
気付く
私は鏡の中にいた