詩人:緋雨
私に残ったのは
あなたを失った痛みと
最期に抱き締めた時の空っぽな気持ちだけ
巡り巡る記憶の果て
悲しみに全て食い尽くされて
躰は抑えがたい激情に踊らされる
こんな風に痛々しい形でしかあなたとの思い出を残せないなら
いっそ忘れてしまいたい
あなたとのことを、全部
頬に伝った血の涙ごと
何もかも葬れたらいい
あなたが沈んだ暗い暗い土の底へ
私の全てが融けてしまえばいい
儚く散ってなお
あなたは私の殆どを埋め尽くす
いつまで
いつまで
私はあなたへの想いで踊り狂うのか
2005/08/17 (Wed)