詩人:どるとる
背の高いビル群と
極端に緑の少ない
排気ガスに包まれた
僕の住む街 ザ・都会
車が僕の真横を通り過ぎるだけで肺がむしばまれてるような気がするよ
灰色ばかりがやたら目につく街
カラフルなのは
人の心の中だけ
九官鳥みたいにうるさい上司に
愛想の無い後輩に
神経質な先輩に
給料の少ない
最悪な環境の中
今日も憂鬱な気分で
雑踏にのみこまれていく 帰りの電車の中で眠りこける日々
窓の外はもう真っ暗で
改札を出たときには街灯のあかりだけが闇を照らす世界
入り口も出口もない
ただ途方もなく
長ったらしい人生に
嫌気がさして
それでも
生きてる不思議
きっと多分
それは永遠の迷い
きっと多分
それは永遠の課題
都会の憂鬱の中にもある密やかな楽しみ
奥まったところにある隠れ家みたいな店
きっと あるから
まだまだ捨てたもんじゃないね ザ・都会。