詩人:どるとる
真っ白な景色の中に描く冬の物語
風が冷たくなると
僕らの距離も近くなる
さあ出掛けよう
二人が二人らしくいられる場所へ
マフラーはなんの変哲もない愛を繋いでくれるためのもの
黄色い手袋をした君と
茶色の手袋をした僕らが手をつなげば
ただそれだけで楽しい物語のはじまり
拝啓、こちらはとても寒くて
凍えてしまいそうだ
そちらはいかがですか? なんてふざけて二人は笑いあう
そんな僕らの微笑ましい日々はつづく
真っ白な景色の中で描く恋の物語
粉雪舞う白い季節
二人で居られる
そんな安らぎだけが心を暖められる
今、僕はすごく幸せだ
だっていちばん好きな人が誰より近くに居るから
いちばん寒い季節に二人で居られるから
そして二人の距離は
寒くなればなるほどに近づいて
やがてはひとつになる
寄り添う夜
星さえ冬眠したくなる寒い夜
僕らは暖炉の前で
あまい口づけ交わす
この街はいつものとおり 変わらない優しさであふれ
そして隣には
素敵な君が居る
この上ない幸せの形
寒ささえ 忘れられる。