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詩人:旅人モドキ(左利き)
おれは鬱憤を籠め太陽すら目の敵にするんだ 今宵は涙で頰を濡らす程おれの命も酔いたくて
時を盗もうと大それた願いは闇へ散らすのだ 雲の漂泊しない暗黒に瞳を凝らせば我も忘れる
そうそう思惑の通りに事は運ばず滅入るんだ 彼方で輝く漁り火みたいに奇麗な心が揺らめく
だから一筋に想いを貫く流儀が似合うきみだ まだ恐れを知らぬきみになら冒険も上等だろう
のんきに笑いさざめく人はおれを理解しない おれが失う物など苦悩の他に有るはずないから
愉快な仲間がきみをも引き込みたがっている 奪われた憧れを惜しむならば語り尽くしたまえ
おれにとっての孤独はおれ自身で癒すまでだ 切実な痛みが胸に宿るおれの傷も消毒するのさ
誰もかれもが幸せなのにきみだけは辛いのか きみを観察していればきみが不満だと感づくよ