詩人:どるとる
我ながら上出来の作り笑いを浮かべてる
一日中ずっと顔面に貼り付けていたその作り笑い
まるで仮面のように
人々は今日も嘘と本音のダンスを踊ってる
たのしそうに見せかけて
乗り過ごしてもいいはずの電車にさえムキになって乗り込む僕は周りのスピードに遅れをとるまいとつい流されてしまった
真っ赤な夕陽が沈むから僕の目には涙
にじんでゆくその景色をただずっと見ていた やがて夕闇が空を黒く染めたら家に帰ろう 逃げるように
僕が見てる空なんてまだまだ小さい空
何歳になってもきっと僕には何も見えない
それでも僕はこの世界で自分だけを信じて泣くも笑うも最後は死んでく
そんな物語を読み終わって一息つくころには僕はあの世だね
昨日の延長みたいな繰り返しがまた繰り返し繰り返されて
僕は自分の人生を死ぬまで今日も完成に向けて書き続ける悲しい悲しい画家なのさ
でも今日も笑ったよ
最後は悲しいけどつかの間の喜びで気持ちすべてさらわれてしまう
我ながら我ながら
上出来の今日だった
その出来映えに思わずこらえてた涙が…
悲しいだけじゃない
わかってても僕には悲しみと喜びのふたつをわけてしか見ることができないから
この雨がやむまで
しばし泣くための時間が流れるよ
心なしか夜空を我が物顔で浮かぶ月もおだやかな気がする
そしてまた筆を入れる今日
人生デッサン
はじまります
書き始めは
新しい朝の陽射しから。