詩人:小さな貝がら
帳が下りた時
小さな灯(とも)し火
歩いて見つけた
小さな居酒屋
ばかばかしくて
お前一人のために
あの町捨てた
おのれのやけ酒姿
みじめったらしくて
情けねぇ
泪も枯れ果てて
もう出やしないさ
まちかどふらついて
出会ったあの女(ひと)
好きでもないのに
一夜を過ごした
弱気になると
前も見えないままで
ふらつき歩く
おのれの
引き止めきかぬ
わびしい一人酒
あびる程
弱気な泪さえ
もう出やしないさ
ばかばかしくて
お前一人のために
あの町捨てた
おのれのやけ酒姿
みじめったらしくて
情けねぇ
泪も枯れ果てて
もう出やしないさ
By 小さな貝がら