詩人:どるとる
僕等はそれぞれの夢を抱いて
僕等はそれぞれに明日を夢見て
愛と未来
見比べてみて
君は未来を選んだね
君と僕が見ていた世界は僕だけにはバカみたいに輝いて見えていた それだけだ
だから
君を愛してるんだよ
そんな言葉も伝えられないまま
ピアノの鍵盤の上に指を置くまえに終わる発表会
さよなら、さよなら
もう会えないんだね
ぼくは
抑えきれない涙が
指の間からこぼれ
心までも濡らした
誰も居なくなった広いホールで悲しくピアノが鳴るよ
最終楽章に見送られて
ぼくらの時間はこうして終わる
ピアノの蓋を
静かに閉めて
ぼくさえ居なくなった心の中のホールには残されたピアノと置き去りにされた君の写真が散らばってる
なぜなの?なぜなの?
ぼくが何をしたの?
ただ君のこと
好きだった
それだけなのに
もう弾くこともない
ピアノが小さな灯りに照らされて
置き去りにされた
思いと
僕がこぼした
涙のあとが残ってるだけだよ。