詩人:高級スプーン
空が曇る
きっと晴れるんだろう
でも雨が降るんだろう
どうにも苦しい
胸に絡む煙が取れない
都会は汚れているから
だけが原因じゃない
蜻蛉のように浮遊する
記憶噛み潰しても
やはり味がしない
理由は分かってる
無関心過ぎるんだ
曇りなき心が
正しき強さなのか
答えを出す前に
飛び去る蟷螂の
羽音がぼくを掻き消した
相変わらず
空は灰色で
いつものように
淡々と真下を歩く
蟻とぼくに差異はなく
今誰かに
踏み殺されても
文句など言える筈もなく
ぼくは曇り
蜘蛛は彷徨い
空に根を張り地は陰る
2005/05/12 (Thu)