詩人:高級スプーン似
踏み込んでくる者は
容赦なく
どうにもできず
あらゆる力の
ない人間は
抵抗しても
たかが知れていて
進行形のリアルへと
否応なしに
引き戻されて
倒れる余裕も
与えられずに
とにかく
生かされる地獄
ぼくの世界
独りの世界
もう構わないで
こっち来ないで
ガタガタ震える
頭で描いた
落ち着きのない
歪な円が
とても弱い
ぼくの防波堤
誰かひとりの
世界じゃないから
干渉されても
文句は言えない
けれども
厭なの
ワガママなんだけど
陽の当たる場所に
まだ用はないから
差し伸べないで
はやく引っ込めて
その手で
ぼくを掴まないで
救われなくてもいい
もう少しだけ
このままに