詩人:望月 ゆき
そこに訪れるたび
答えをさがす
水面から急潜行すると
彩色をほどこした
世界がまぎれもなく存在している
潮流に逆らうことなく
傾いている
イソバナを縦横斜めに
宇宙遊泳ですすむ
苔むした空き缶では
ミジンベニハゼが同棲していて
なにか 見てはいけないモノを
見てしまったかのように
ついと目をそらす
そらす直前
チラリと盗み見
失敬。
そこに生息するすべての者は
ひどく自分をわかっていて
みな 思い思いに城を築く
時にそれは砂の中
時にそれは葉の裏
あるいは ヒトデの腹
ウミウシ牧場での一期一会
限りある酸素
限りある時間
の中で
ここを森と云わずして
なんと云おう
探しているこたえは
まだ 見つからない
問いかけは
なおさら。
永遠に