詩人:甘味亭 真朱麻呂
光がまぶしすぎてめまいを覚え時々目をつむってしまう
つよい光は弱い光をかき消すためにあるはずじゃないのに
なぜか僕の生きる世界はいつからかそんなルールに変わってしまった
欲望にただすべてまかせて自分を見失い手を伸ばしても欲しいものなんて 得られはしない
なぜならばこの世界がもうそういう世界になってるから
心に夢を描いたところで叶うという絶対の保証はないから
絶望に屈する僕の姿を拭いきれずにいつも消えないのが不安だからこわくて仕方ないこうやって踏み出すこの一歩
足を前に踏み出すこの瞬間がこわいのさ
とてつもなくこわいのさ
なにもいえずに僕はただ雨の中 傘も差さずにうつむき立ち止まる夕暮れにとけ込むように
幸せの裏側にはただ静かなさびしさがこの雨のように降り注いでいるだけ
何本ともなく心を濡らし声をうばってゆく
寒さにふせるなすすべもないまま孤独が胸を突き ただ通り過ぎるだけの時間が僕を老いさせて無駄な時間が過ぎ日々を悲しくむなしい思い過去に残したまま流すだけさ
幸せでもないが
不幸せでもない
他人から見たらただの贅沢 子供のわがままだけど悲しかった それなりに悲しむ理由には十分すぎるほどだと思うんだ 僕は
空虚に支配された
繰り返すことを繰り返すだけの何の面白味もないかといってさがす気力も出ることはなく ただ昨日と同じ空虚感を背負ったまま 立ち尽くす流れるときのほんの途中 寂しく空を見上げる 世界のいちばんはしっこで
誰にも笑ったふりで聞こえないような
誰にもわざと届かないような声でぽろりと涙を流す
本当は誰かに言いたくて話したくて仕方ないのに こんなにも胸が幸せを恋しがってるのに 僕はそれなのに本当になりたい素直な自分を欺いてごまかすように笑ってた ばかみたいに笑ってたんだ不幸せの裏側へ今すぐ幸せへの扉を開いて。