|
詩人:どるとる
歩き続けるこの長い旅の途中で
荷物になる思い出は
迷わないで
悩まないで
ためらわず
ここに置いていこう
思い出なんてどれも大切だけれど
心に負荷をかける思い出なんて思い出じゃないから
本当に大切だと思う思い出だけ背負って
歩いていけばいい
悲しい思い出
楽しい思い出
ひとつひとつ
確かめて
本当に大切な思い出だけカバンに詰めて
そのほかの思い出は
ここに置いていこう
ぬかるんだ道に
足がもつれては
泣き言を言うけど
僕は負けないよ
向かい風にだって立ち向かう
追い風を巻き起こすんだ
さあ 旅はまたここからはじまる
思い出は常に増えては減る
それは悲しい事でもあるし場合によれば嬉しい事だったりもする
だけど確かなのは
全部を抱えて
歩かなくてはならないというキマリはないという確証ひとつ
思い出なんてどれも大切だけれど
心に負荷をかける思い出なんて思い出じゃないから
本当に大切だと思う思い出だけ背負って
歩いていけばいい
なけりゃいい思い出なんてたぶん無いけど
置いていくべき思い出だってあるはずだ
だから僕は置いていく
ここに置いていく
未来へ持って行くべきじゃない思い出は置いていく
置いていくのさ
背中で手を振って。