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[119397] 思い出話を肴にして

詩人:甘味亭 真朱麻呂


過ぎ去った遠い昔を何気ないときにふいに思い出してたりして
そんな頃もあったななんて若い日々のことを懐かしく恥ずかしく思い出しては時々笑う

いまを確かに踏みしめる一歩が遠く遠く
いつの間にかなっても噛みしめていきたい
どんなときでも

思い出は振り返る為にあるのかな
悲しくなるためにあるのかなあ
そうじゃないはずだろう
だから悲しくならないために少しでも今この時を懐かしくそして素晴らしくいい思い出だったと年寄りになったときに心地よく思い出せるように思い出したいと思えるそんな思い出には少なくともしたいな

もう、すぐだから
もう、なんだかんだ言ったところで
言ったけれどもうそれさえも過去のことで
もう、こんな歳で
あの頃から比べればだいぶ背も伸びて大きくなったんだ
だからわかるのさ
今はじめてじゃないが
時が経つことの早さと儚さを過ぎ去れば切なく思うことは最初から知っていて早すぎる早すぎるとグチを繰り返した分だけ歳をとり時は過ぎていってしまったけれどわかりすぎているほどにわかりきってはいたけど

なくしたものばかりじゃないからまだ笑えるさ
すべてを失うにはまだまだ早すぎる
同じ言葉ばかりが
同じ疑問ばかりが
頭の中をぐるぐると回り
消えない不安となってつきまとい僕を苦しめていても
いつかすべてそんな苦しみさえも感じなくなる日が来ることは明白で これもわかってるから
世界にはわからないこととわかりすぎていることの差がはげしくて それも数が多すぎて時々焦りとかいらだちを隠せずおかしくなってしまう しまうのさ
精も根も尽き果てるまで続くのさ

思い出話を肴にして今夜だけは語り明かそうよ さびしいだけにならないように
少しでも明るい未来が扉の先(そこ)にあるように。

2008/01/20 (Sun)
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