詩人:どるとる
幻のようにふらりと消えてく1日を遠くからじろりと眺めて
腹話術みたいに口を動かさないでさよならと僕は言うんだ
とにかく忙しい1日だったんだ
何をしたのか覚えてないくらいなのさ
街中のため息集めたら
気球も飛ばせちゃうかもなんてくだらないイメージで頭の中ごちゃごちゃ
散らかりっぱなしの部屋に籠もる日々
たまにはカーテン
すーっと開いて
どこかに遊びに行きたい
愛想笑い浮かべた
道化師さんが
僕に手を振って
にこやかに笑う
そして僕は当たり前に笑い返す
そんな毎日に嫌気がさしても
馴れ合いの日常は終わらない
さあ 今日も腹話術の人形みたいにされるがままに「です、ます」だけで会話をする
コミュニケーションという名のつまらない時間が今日も僕を疲れさせるよ
やっと家に帰っても
もはや安らぎは無い
だから、モナリザよりも微笑んで
壊れた人形のように
いつまでも繰り返す
世辞とお利口な態度
暴れ出したい猿の感情隠して
どこまでも大人しい人間のふり貫き通すなら 感情なんていらないでしょう
だからたまには
タガを外して
お猿さんに逆戻り
木から木へと
飛び移るように
日常の中にある
楽しいこと
ドキドキすること
見つけに行こう
腹話術の人形だった僕が目を覚ましたら
腹話術師の手から逃げ出して 自由気ままに動き出すんだ
道化師でも無ければ
腹話術の人形でもない僕なんだ
だから見えない糸を断ち切って
僕は飛び出す
広い世界へ
さあ 街明かり
つき始めたら
僕らは寄り道せずまっすぐ家に帰る
そして
また道化師に戻るまで
そして
また人形に戻るまで
夢の中でおやすみ
明日はいい日になるかな
願いは星の数だけ
輝くのです
冬の夜空に
サンタクロースの影
さながら幻のような不思議なぬくもり。