詩人:どるとる
あなたは生きていて
楽しいですか?
あなたは生まれてきて良かったですか?
あなたはこれからも生きてゆくのですか?
生きていくことには後ろ向きで
それでも死にたいとは思わなくて
生きていて楽しいことは特にはないけど
死んでいいこともないと思うのです
星の数ほど 居る人の中で人は光と影を身にまとって生きていくのが宿命だから
今日も悲しいことや嬉しいことは生きている人におとずれるのでしょう
だから僕はたずねられるまでもなく
生きていくことにも
生きていることにも
生まれたことにも
なんの不満もなければ
なんの願いもないのさ
ただ悲しいというだけで
だだ嬉しいというだけで
世界は光にも満ち
世界は影にも覆われ
僕らはそのたびに
生きていることを
悔やみまた喜ぶから
きりのないその繰り返しの中で御託並べるよりも生き続けることを大事にしたい
ここにいることの悲しさや
ここにいることの嬉しさを
誰かに伝えるように
自分に言い聞かすように
今日も明日も僕はきっと生き続けているでしょう
死ぬ理由もなければ
死にたいと思う根拠もなにもないから
僕は生きていくだけ
僕は生きているだけ
そして生き続けてくだけだ
時に悲しく
時に嬉しい
そんな感情を
見えない
手のひらで
転がしながら
今という一瞬を
どれだけ味わうか
それだけに
意識を集め
思ってる
感じてる
目に見える全て
耳に入る全て
思い当たる全て
光と影に生かされて
そして
光と影に蹴り飛ばされて
愛すべき全て
憎むべき全てに
見放された時
僕は死に目を見るでしょう
その日までどうか
お元気で
君も僕も
それぞれの時間を
生きていこう
歳をとってもう何もかも取り返せなくなるころ振り返って
悔やむことの無いような「いい人生」を願っています
生の実感に満ちた今日も君の知る僕でいるから。