詩人:どるとる
朝は夜の腹の中へ
万事吸い込まれて
暗闇に閉ざされる街
真っ赤な空が
だんだん暗くなる
人の声も姿も消える
「さよなら、バイバイ、また明日会おう」
そんな声でつなぎ止めたつもりさ
僕はひとりぼっちだから 会う人もいないし
約束を交わす人もいないんだ
ひとりぼっち
吹けもしない
口笛を吹き鳴らしたつもり
涙のかわりに
口笛を吹いて
さよならのかわりに
口笛を吹いて
ピューピューって僕は自分に
果ては世界に
何もない空に
口笛を吹く
切なさは死ぬまで
燃えきらないさ
この胸の中で
くすぶり続ける残り火。