詩人:哀華
掲げた炎の奥
夢に見た風
私の目を潰した光
頭を抱え込んで
崩れ落ちた
膝をついて
思ったのは
幼き頃のあの記憶
澱んだ部屋に
少しの涙
夢に見た風
頭を吹き抜けて
私を撃ち殺して
消し去る
暗闇から
その中の茶色い
湿気を吸い込んで
明日など
思うこともないほどに
泣かせてよ
錆落ちた鍵
虚ろに
見つめる犬のような
この目
泣かせてよ
全部捨ててしまおう
追憶が降る
こんな夜には
夢の路が歪む
こんな夜には
酷く、酷く
こんな夜には
私の中を感じるんだ
こんな夜には
2005/07/10 (Sun)