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詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕に注がれていく
やさしさをふと数え
数値化してゆくよ
できるとこまで
やれるぐらいまで
悲しみだってお望みながら数えたげる
それでも、
僕は落ち続ける砂時計をなんとかして
止めようとしたんだ
だけれど、
止まらない時間の流れはいつしか僕らにさり気なく確実なのになぜか不確かな絶望の種を植えつけた
昨日…ついさっき…一時間前…昨晩…さかのぼればさかのぼるほど悲しくなるのはなぜかなあ…?
過ぎ去っていく時間の中を旅するように歩き一昔前まで鼻水たらした世間知らずの子供だった僕も
気付いてみりゃそれはもう戻らない昨日のまでの話(こと)
明日…明後日…1ヶ月…一年巡れば大忙し
通り過ぎていくたびに今日の分の疲れやその重みがまんま僕にのしかかる きつそうなのに笑えるのはなぜだろうかな…? わからないにしてもなぜかとても心地よく気持ちいい晴れ晴れした生まれた日の朝のように鮮やかに僕をあの日に返した 懐かしさにあふれた思い出の中へ返れたような気がした
暖かい春の日に浮かんだ新しい詩(うた) またひとつまたひとつと僕の頭の中で跳ねまわるポップコーンのように
『いい日になりそうだなぁ』なんてつぶやいてただ静かに空を仰ぎ見る
幼い日、自転車のサドルをはじめてとって走ってみた感じに似た なんだかふわふわしたような緊張感が快感なのは僕だけかしら?
なぜかしら なんだか晴れ晴れなのは
こんなに こんなに
大人になってもあの頃からなにも変わらないからこその幸せ 変わってみてはじめて気付けた変わったからこそわかった何か
僕の中に 今 君の中へ そう 注がれていくよ やさしく やわらかな 気持ちと成り変わって瞳に映る世界の真の姿をそこに映した すべてありのままの自分になって自分を受け止めて そんな世界を愛せたら 好きになることから始まると思う新しいことは いつも。