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詩人:眠れるはたけの美女
木の葉がひとひら ふたひら みひら
幾つか数えてここで待ってたの
愛しき月映えよ
お帰りなさい
その瞳に偽りが写ったのか
この心が真実を変えたのか
未だ何も分からないまま
息衝く今夜も平穏なら
夢語り 一つ 二つ 三つ
いつも信じたい
「大丈夫」
そんな不確かな呟きも
傷痕と鉤爪 触れ合ってしまって
微笑みに微笑み 返せないのに
冴え冴えとした月影さえ
何故か温かいような気がする
夢語り 五つ 六つ 七つ
抱き締めさせて
出逢えなかった少年の面影ごと
本当はただの我が儘なの
誰のためでもなく 何のためでもなく
ねぇ 独りにしないで
木の葉がいつひら むひら ななひら
幾つ数えれば見せてくれるの?
幸せそうな寝顔
お休みなさい