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[168790] 小さな妖精から、愛する空への想い

詩人:夜深


夜の光がそっと寄り添う
つぶされそうなほど
熱い胸の奥から零れ落ちるのは
涙ではなく 果てのない想いだよ

"見かける"のと
"会う"のは 全然違う

同じじゃないのって友だちの声がしたけど

同じじゃない、って低く呟いた

やっとやっと
今日は会えた
君に会えた

君はこっちを向いて笑った
またひとつ
ハートが赤く染まっていく 熱い

この熱さは夏近し、
という理由(わけ)だけじゃないの

私が歌うたう小さな妖精なら
君は雪のような純白をもつ自由な空

空に少しでも近づきたくて
精一杯羽根をばたつかせてみるけれど
どうしても
運命という太陽がじりじりと邪魔をする
立ちはだかる厭な熱が
羽根を焦がして想いに火をつけた

空に少しでも近づきたくて
精一杯羽根をばたつかせてみるけれど
どうしても
運命という通り雨がざあざあと邪魔をする
まとわりつく厭な雫が
羽根をぬらして想いの火を消した

私が歌うたう小さな妖精なら
君は雪のような純白をもつ自由な空

最近の君はよく
私を想ってくれているみたいだね 
嬉しくてたまらない

ま、想えば想わるる、ってことかも知れないなんて
気分が弾んでいるときに
ふと沈む空
夕暮れ時 
バス停のベンチに座る君を
バスの窓から ちらちらと見つめる

二人が気づくときに
またきっと
熱い想いに火がついて
赤く赤く染まるの

眠る前に
君を想ってぎゅっとする
あの真っ赤なクッションみたいな色の
想いがぎゅっと詰まる
胸がぎゅっと詰まる

私が歌うたう小さな妖精なら
君は雪のような純白をもつ自由な空

私は君への歌をうたいながら空を飛び
君の表情(かお)を見つめたい

私の言葉ひとつで
空が真っ赤になったりなんかしたら嬉しいな
嬉しくて私まで舞い上がってしまいそう

君に出会って空をよく見上げるようになった
前を向くことを知った
羽根をのばすことを知った
君に出会ってもっと
強く空を 強く世界を
飛びたいと思った

光れ、恋帯びた明日

2011/06/10 (Fri)
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