詩人:未知
きみは優しい
とてもやさしい
それは偽善的な。
つまり同族嫌悪?
そうだ。きみは易しい
うすっぺらで
からっぽで
浅い水たまりを
海と呼んだ
それだけのトリック。。
身構えたままで
声にならなくて
ひそやかに祈ったんだ
なんだか愛に
飢えていて
なぜだろ近頃
こそばゆい
這うようにじわじわと
胸を浸食する
遅効性の。
あなたの眼差し。
きみは優しい
いつもやさしい
かなり独善的で。
いわば一方通行?
悩ましいよ
痛ましいよ
センセーショナルなパンチ
物思いに
耽るばかりで
まだ生に踏み出せない
臆病者と罵っておくれ
ここから景色は
遠すぎて
愛する人の顔さえ
思い出せそうにない