詩人:望月 ゆき
地球の天井と
海との間で それは生まれる
気まぐれに上昇しては
白く漂う
時に 青を
時に ねずみ色を背に
やがて
白(あるいは城)の中に
点在していたそれは
手と手をつなぎ
下界へと 飛び込む
飛び込むための勇気を
もちあわせていようが
いまいが
飛び込む
下界においてそれは
緑をもたらし
金色をもたらし
しかし 時として
人々の浮かない顔をももたらしたりする
山頂から落ちる滝と混ざったら
一挙にサバイバル。
途中
岩岩にしがみついてしまうものも
しばしば
やがて せせらぎ
陽光を反射させては
ゆらゆらと煌めき
たどりついたのは
海。
それは いつも
ひとしきり生きては
海へと還る
ひねもす
地球の天井を見上げては
海から旅立つ
チャンスを待つ