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[90298] おつかれうさぎ

詩人:ヒギシ

すぐに消えてしまう
この白い溜め息が
何やら急に愛しくなって
両手で捕まえたのだ

消え損ねた彼は
少し不機嫌に僕を睨み
ちぇ と舌打をして
足元の雪に重なった

そう怒るな、
固めて雪兎にしてやろう
溶けるまでの時間は
また少し延びるけれど

ぎゅうぎゅうと
押し固める僕の手の中で
また小さく
舌打をもらす溜め息

南天の瞳を飾る
赤い目をして泣いてるのか
ゆっくり溶けるまで
少しの辛抱だ

はぁ、とひとつ溜め息を吐いて
鼻先をじわりと溶かしてやる

2006/11/28 (Tue)
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