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詩人:甘味亭 真朱麻呂
 
それでも繰り返し訪れる明日に気がつけばなっていて 
別に変だとか思うこともなくただ身をあずけおそれることもなくその場その場ですり抜けていちいち何かの選択に迷う歳でもないから 手早く
今日なんてあっという間に過ぎていって 
今日悩んでたことなんて明日になれば忘れているんだろうな 
なかったみたいに 
嘘みたいに 
その先の明日にさえそうやってずっとずっと繰り返し季節が繰り返され歩いてくうちに不思議とその流れになれていって日々に馴染んでとけ込んでゆくんだろうね 
その先の明日へ向かって今日も少しちょっと歩幅狭めてまた僕は気づけば歩き始めていた 夢から覚めたようにはっと気づき見上げればそこにはまるで燃えるような夕焼けがあった 
どこまでも広がり視界いっぱいを燃やしつくし瞳いっぱいに映る炎に近い赤色…に埋めつくす夕焼けの赤 しばらくその景色に圧倒され目を奪われ みとれるように立ち尽くしていたんだ ずっとずっとずっと 何も言わず言えずにただただ久しぶりなようなそんなくらいの気持ち抱きしめて眺めてるしかなかったんだなそのとき僕は
 
この歳になってみてはじめてこんな心ごと大きく包まれるようなすごい大らかな気持ちになったんだな 膨らんでく胸…気持ちまで大きくなれたような大地の一部にでもなったような気持ちになったんだ
そのとき僕は。