詩人:ヒギシ
つめたい雨が降る朝おはようの真っ白な息明けていく一日の静かな足元に寄り添い傘を開いて坂をのぼるある日の始まりのなかである年の終りを思うサザンカが雫と一緒になりぱたぱたと花びらを落としたこの雨が遠くの町へ静かに静かに去るころには長かった一年が、過ぎてこの朝のように新しく塗り替えられてしまうのだまだ降っていて、もう少しまだ坂の先が見えてこない