詩人:キュウー
こんな
こんな街にも
涙を誘う風が吹くんだ
綺麗なままじゃいられなくて
また誰かを傷つけた
悪戯な光ならいらない
誰が辛いかはわかってる
そうやってまた隙間を埋めるように穴を掘る
だからまた傷つける
もう戻せない時間は
進むことも忘れたみたい
手を放してしまえば
それまでだって
わかっていながらわかってなかったことこそ大事なことだった
言い訳並べてかっこつけても
写真のようには笑えない
消えかかった灯り
さしのべた手を振り払った瞬間に
消えた…消えた…
否。消したのか。
何を犠牲に
何と引き替えに
独りを選ぶ愚か者
例え偽っても心の穴は埋まらないように
例え嘘をついても闇を光とは呼べないように
こんな
こんなとこにも
涙を運ぶ風が吹くんだ
悪戯な光ならいらない
きっと
届かないから…