詩人:どるとる
僕は悲劇の主人公のようにただ泣きわめく子供のように涙に明け暮れ
誰の声にも耳を傾けようとせず
ひたすら孤独な奴ぶってた
孤独になれたと思ったのに僕は優しさに恵まれすぎて
愛に恵まれすぎて
孤独になれなかった
商店街は寂れ
そのうち
ほとんどの店はつぶれ
さみしくなった街
まるで僕の心の中のようだね
自分を孤独と思えば思うほど孤独からは
遠い場所で誰かと一緒に笑い合う僕がいて
孤独になりきれない
部分があるから悲しさが生まれ淋しさを拭いきれずただ泣くしかない僕がいる
いざ独りになろうと思えば思うほど独りになることをおそれる僕がいる
それなのに僕は何度でも思う
孤独という闇の中へ逃げるための出口を探す
そんなくだらない行為を繰り返す
独りになれない僕が
独りになりたい僕にいう
おまえは本当は独りになんかなりたくない
ただ誰かと笑いあえない口実が欲しいだけだと
ああ 僕は今日も独りだ
だけど不思議と悲しくない
それはかりそめの孤独だから
ほら、振り向けば誰かしらが僕に優しくする
ああ 今日も心は真っ暗
電気を点けなくちゃ
今日も今日の自分をはじめるために
独りじゃない独りから解き放たれるために
無意識に閉じているまぶたをこじ開ける。