詩人:まとりょ〜鹿
例え
お前に俺が
生きろと言おうが
首を横に振るんだろ?
例え
俺にお前が
必要だと訴えても
もう響かないんだろ?
例え
お前より先に
俺が息絶えても
羨ましいと思うだけなんだろ?
今朝、
俺の足元で
低空飛行で飛んだ
傷だらけのツバメ
自らの
口元で捕らえた
遺されるモノ達への
意志を繋ぐ為なら
心臓が止まろうとも
羽根を休める事なく
届けてやろうと
小さく飛んだツバメ
お前は
只の美談と
耳を貸さないだろう
俺は
そんなお前に
もう何も言えなくなるだろう
これは俺の我が儘だけれど
お前に意志を持って欲しい。
そして
あと少し
あともう少しだけでもって
地に足を着けて
踏ん張って欲しいんだよ。
死への美学なんて
分からないし
分かりたくもないんだよ。
それはやっぱり
怖いだけなんだ。
お前の半歩後ろで
祈るだけのエール。
もどかしくて痛くて
沢山の言葉を飲み込んだ。
ひたすら
お前を信じる。