詩人:どるとる
楽器の弾けない
僕には言葉でしか伝えられない
楽器も弾けない
僕にはこの声が楽器のかわりさ
楽器持ってない
僕には言葉しかない
僕っていう頭の足りない詩人は楽器を練習したところでできない
詩人はただいつまでも詩人のままで
語っていく
そして
綴っていく
そうやって繋がっていく
言葉遊びじゃない
いつも真剣なんだ
だから今日も
詩人は歌い継ぐ
はるかな未来へ
そして
誰かの心へ
歌っていく
届けていく
詩人はただいつまでも詩人のままで
語っていく
そして
綴っていく
詩人はただいつまでも詩人だけれど
唄っていく
そして
紡いでいく
楽器の弾ける人は
詩人ではなく歌い手だ
でも僕の声が楽器だとしたら僕も歌い手だ
今すぐ ただ 今すぐ
君に伝えたいから
聞いてね
聞いてね
詩人の唄
流れるように
さすらうように
君の中で
生きる血の通った
命の唄
詩人の唄
「愛」も「憎しみ」も
「悲しみ」も「忌まわしさ」も何ひとつ例外なく君に唄うよ
それが、詩人たる僕のつとめならば。