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詩人:阿修羅
手を伸ばしたら
すぐに触れる温もりが
あるような気がして
暗闇の中
布団を弄っても
何もないのを知る
独りの夜
心が、軋む
無意識に抱き寄せられる
感覚がどうしようもなく
気持ち良いもの
だということを
改めて思い知る
独りの夜
自分の体の熱だけでは
あたたかい、と
感じられなく
なってしまった
はやく、帰ってきて
こんな時間に目覚めるのも
何もやる気が起きないのも
もしかしたら
あなたがいないから
かもしれない
依存、しないと
決めたあの日
依存、してよと
真っ直ぐ云ったあなた
枷が外れてしまった
すべてからあなたを連想し
思考があなたで埋まる
無意識の内に
傍にいて下さい
独りは、嫌
でもあなたでないと、厭
枷が外れた僕は
あなたを欲しがるだけの
獣に成り下がるのに
ここに来てほしい
ホルマリン漬けのごとく
あなたに埋もれていたい
そうしたら
死んでいたって
イキテいられる
依存、しているんです
もうどうにも
ならないんです
あなたを下さい
あなたがいないと
呼吸さえしづらくなる