詩人:甘味亭 真朱麻呂
さよなら、流星群
思ったよりも君は強かったんだね
僕がいま言う言葉はまた今度逢うための口実でしかないんだ
だけどそれなりの理由にはなるよね
今日という1日と
今度、逢える日とをつなぎ合わせる立派な理由になってく
いつかまた
いつかまた、と
繰り返しながらも
僕のその言葉はいつしか幻になってあろうことか忘れていやがった 本当の幻になってしまったよ
記憶に絡まる蜘蛛(くも)の粘つく糸を振りほどいて
君に逢いに行きたい
出来るなら今すぐにでも遮る壁を飛び越えてでも逢いに行くのに……
さよなら、流星群
僕が放った言葉で
君がもしも傷ついてゆくのならばいくつもの言葉を胸にしまいヘラヘラとぺらぺらな笑いを浮かべていた僕を殴る必要があるな
それならばせめて届かない声を遠くに居る君へ届けてよ
いつかいつの日か
何年…何十年と待った僕を本気にさせた一度は期待した思い出の中に消えた蜃気楼(まぼろし)よ
今はもう逢おうとしたって遠すぎて逢えないほど離れたけどあの日空に返した魔法みたいな力を今こそ使うときかなあ
それがいるんだ今すぐに空に頼み込んだんだって意味もない理屈を並べて
理にかなった歌ばかりを歌い始める
今、恋の終わり
罰が下るこの僕に
雷に打たれたようなあの衝動にも似た運命的な出逢いを彷彿と感じさせるときめきはもう感じれぬ永遠の国へと帰った
悲しみの後
切なさ拭い 傷ついた羽を休めるため降り立った一羽の翼の折れた鳥が夜露に濡れる雨の街角を眺めただ降り注ぐ流星を見て
願うのはこんなにもたくさんの星があるのに 不思議なことにたったひとつ
それは君に逢いたい
それは君に逢いたい
それは君に逢いたい
ただそれだけさ。