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詩人:どるとる
嘘をつくことで自分を庇い守ってる
それしか僕にはできない
人付き合いなんかまるで苦手だし嫌いだから
いつまでもわがままな僕で大人になんかなれなくてもいいなんて思ってる
神様の手違いで生まれてしまった命がもしもあるとしたら
それは紛れもなくこの僕だろう、そうに違いないんだ
生まれてきてよかったなあ
生まれてこなきゃよかったなあ
いつもそんな繰り返しさ
意地を張るのも
強がるのも
きりがないから
そろそろ家に帰るよ
君の話なら
なんだって聞くから
くだらないなんて間違っても思わないからどうか話して
なんなら誰もいない場所でふたりで話してもいいよ
文句を言うのなんてもってのほかだから
君の話を聞かせて
素敵な君の話も
真面目な話も
夢みたいな話も
君の話なら
なんだって聞くからさ
なぜかな 君だけには心開け放せるんだ
なぜかな 君だけには優しく向き合えるんだ
僕自身は本当は素直になれないだけ
だけれど君の前ならば素直な僕で向き合えるよ
君は鏡のよう
君は僕の全てを
見透かすけど
君のことは
何も見えない
透明な硝子のように僕自身の愚かさが透けて見える
孤独だった僕に
手をさしのべてくれた君にできること
多分今はそれだけ
だから精一杯
君の話を聞くんだよ
それは君を蔑むようなバカな他人にはきっと聞こえないんだよ
でも僕の耳にはちゃんと届いてる
君の声が 君の本当の気持ちが 心の叫びが
聞こえているよ
そして今日も
独り目を閉じて
電気消した暗い部屋
大好きな悲しい歌を聴きながら
涙を流して
君は僕に本音打ち明けたんだ
全てを理解してあげることはできないかもしれない
だけれど君のためなら僕はうそつきにだってなりたい
君の全てをゆるしてしまった僕は愚かだろうか
それでも君を愛してしまった僕には君を責めることはできなかった
世界でいちばん美しい君の話。