詩人:アル
雲を住処に
肩寄せ合った
弱く小さき粒たちも
いつか別離の時を知り
上り下りの旅に出る
荒れて渇いた地上には
身の置き所さえなくて
落ちた暗く深き淵にも
谺だけが響き渡るだろう
突然に
降り注ぐ銀の槍
痩せ細った清き流れは
やがて碧き大蛇の如く
険しい山谷に身を捩り
目指してゆくよ
わだつみの海原を
空を逃げ場に
慰め合った
弱く優しき粒たちも
いずれ出逢いの時を知る
巡り廻る旅の途中
流した紅い涙でも
他の誰かの厚い胸で
漏らした白い溜息も
同じ温度に触れるだろう
絶え間なく
降り注ぐ銀の槍
痩せ細った清き流れは
やがて碧き大蛇の如く
険しい山谷に身を削り
還り着くだろう
茜射す雲の住処へ