詩人:凜一
腕時計の針を一昨日の夜に巻き戻して止めたあなたがまだあたしのモノだった時間あなたがサヨナラと言ったその瞬間を思い出してみるどうして何もできなかったんだろうしがみつくとか泣くとか行かないでと言うとかそうすればもしかしたら零れかかった思いを呑み込んで時計の針を動かしたサヨナラの瞬間から一秒、二秒、遠ざかっていくこんな時間あたしにはなかっただから何もできなかったのあなたのサヨナラがあたしの時間を止めたのだから