詩人:どるとる
陰鬱な世界に今夜も見えない雨が降る
悲鳴ひとつあげずに静かに消えてゆく星
最後の瞬きひとつ残して死んだ帚星
尾を引いて 輝いて
なんの言葉も残さず
消えたあの星はなんのために生まれたのか
きらめく物語 続きのまたその続きで
つづいていってやがて終わる儚い物語
流れゆく時の重圧で今にもつぶれそうさ
それでも流れていく帚星
その儚い一瞬は
永遠より長く
その儚い一瞬は
何よりも短く
僕らの一生などは
無意味になるくらい
彗星の一生は素晴らしい
一瞬だけで輝ける
彗星のように
僕らは生きる
願わくば輝いて。