詩人:木菟
まだ、きみは喋れるからましだよ。って風が吹いたように誰かが放った
嗚呼、嬉しい
嬉しくなんかない
ますますみじめになった
胸の中の酸素が完全に抜かれた
わざと爽やかに笑んでいたその顔
分かっている
予告編を見せつけた
何編も何編も何編も何編も何編も何編も何編も何編も何編も何編も何編も何編も何編も何編も
見せられてばかりで
胸は焼き焦げた
小さな塵みたいな
焦げた破片をかき集め
わたしは彩る
小さな塵でもわたしは拾いにいく
透明な身体で心で
もうこれ以上消える術はない
大嫌いな愛しい世界
大嫌いな愛しい人間
何者かさえ解らずに
さぁ行こう